フィニッシュの概略
木工旋盤で、切削した後の作品を美しく仕上げるには、刃物が削り残した、高い峰の部分をサンドペーパー等で除去する工程が必須とになります。
自然木は繊維状になっているため、木材のファイバーをシーラーと呼ばれる木地固め剤等を使って、一旦固めてからサンドペーパー等で研磨すると、美しく仕上げることができます。
従来から150番、220番、320番の順にサンドペーパーで研磨されていますが、320番で研磨する前にセルロース・シーラーを塗布すると逆目の除去にも役立ちます。
また、シーラーは木地に浸透して塗料等の浸透を均等にする効果もあり、漆仕上げを除くほとんどすべての塗装下地処理に使用することができます。
塗布する方法は、ボロ切れなどでもできますが、ハケで塗布する場合は、使用後のハケを専用シンナーで洗浄しておくと再使用できます。
旋盤上で布等の摩擦熱で木地表面に塗装を施す方法もあります。
フリクション・ポリッシュ、メラミン・ラッカー、クリーム・ワックス、シュラワックス・クリーム、オレンジ・ワックス、レモン・ワックスなどはこの目的に使用できます。
一方、ペン作りなどには自然木のほか、色ベニア、各種プラスチックが使われるが、表面を瞬間接着剤で透明な層をコーテングする手法がアメリカ等でも盛んに行なわれています。この場合にスーパーグルー(中粘度、低粘度)と硬化促進スプレーを併用で皮膜を形成し、ペーパーは320番以降は耐水サンドペーパーを用いて、水研磨をして600,800,1500,2400,4000,12000番と研磨カスを除去しつつ磨くと宝飾品のような硬くて美しい仕上がりになります。
質問Q:板目材を磨くとき、旋盤を回しながら木地をサンデングしてもキレイに磨けません。とくに木口が露出する2箇所で上手く磨げません。どうしたらいいでしょうか?
回答A:木口、木端、木口、木端と、なかなか磨げない部分とすぐ磨げる部分が隣り合って旋回してくるため、なかなか磨げない木口部分はキレイに磨げません。旋盤を回さずにその箇所を100番くらいから120番、150番、220番、320番と繊維方向に沿って磨く必要があります。320番の前にセルロース・サンデング・シーラー等を塗ってファイバーを一旦固めてからサンデングすると更にいいでしょう。
セルロース・シーラー | フリクションポリッシュ |
オレンジオイル | オレンジ・ワックス |
レモン・ワックス | スーパーグルー (青ボトル 低粘度、黄色ボトル 中粘度) |
ウルトラ・シャイン | シュラワックス・クリーム |
スーパーグルー硬化促進剤 | アクリル・スプレー |
メラミン・ラッカー | クリーム・ワックス |
ウオーター・ロックス |
フィニッシュ用品 | 概 要 |
チェストナット社<イギリス製品> | |
セルロース・シーラー | 320番のサンデング前に使う塗装下地用 |
セルロース・シンナー(薄め液) | 上記塗料の薄め液。ハケの洗浄にも |
フリクション・ポリッシュ | 摩擦熱を利用して簡単塗装 |
メラミン・ラッカー | 耐久性のある上塗り用塗料。薄く塗布 |
アクリル・スプレー | スプレータイプの上塗り塗料 |
クリーム・ワックス | 木地や家具用速乾性ねりワックス |
レイス・ポリッシュ | 摩擦熱を活用した簡単塗装 |
スーパーグルー 中粘度 | 接着剤や硬い透明な塗料として |
スーパーグルー 低粘度 | 木に浸透し亀裂部分や表面を強化 |
スーパーグルー硬化促進剤 | 接着剤厚塗り部分の白化防止 |
Uビュート社 <オーストラリア製品> | |
EEEウルトラ・シャイン | 320番後に使う木地用磨き剤 |
シュラワックス・クリーム | 摩擦熱を利用した簡単塗装 |
水性染料 7色セット | 玩具などに安心して使える |
ハワード社 オレンジ・ワックス | 天然オレンジオイルと蜜蝋のミックス |
オレンジ・オイル | 浸透性抜群の天然オレンジオイル |
クラフトサプライズ社 <アメリカ製品> | |
レモン・ワックス | レモンの香り心地よい食器用 |
ウオーターロックス社 オリジナル・ヴァニッシュ |
桐油と合成樹脂の混合油。床や家具 |